
- 作者: 夏野剛
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2009/07
- メディア: 新書
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読了
読んだ感想。
著者の夏野さんは真面目な人なんだなって思った(笑)。
それだけじゃあまりにもあれなので
文章を引用しながら、自分が読みとった著者の主張を各章ごとにまとめてみようと思う。
本書は全部で4章構成になっている。
- 日本のウェブビジネスはなぜ儲からないのか
- ウェブビジネスを成功させる鉄則
- ウェブビジネスの未来
- 旧来型日本企業への提言
第一章 日本のウェブビジネスはなぜ儲からないのか
一言で言えば、当たり前のことができてないというのがここでの主張。
実は、ウェブやITは単なるツールに過ぎない。つまり、自分が手がけている商売の本質は、ウェブになっても何ら変わらないのだ。
それなのに、
インターネットを単なるツールとして認識せず、魔法の道具のように考えるから何もかもがおかしくなる。
そうではなく、
リアルビジネスと同じく、自分の身の丈を知り、当たり前のことを当たり前にやればいいだけの話しだ。
第二章 ウェブビジネスを成功させる鉄則
ここでもやはり、身の丈にあったビジネスをすることが大事であると主張している。
なぜならば
そうしないと、失敗確率があがるからだ。
ここで例としてiモードのコンテンツ制作について述べている。
iモードのコンテンツ制作に、NTTドコモはいっさいタッチしていない。タッチさせないと私が判断し、すべて第三者に任せたからだ。
その理由は
コンテンツ制作のための人材とノウハウがドコモにはなかったこと。
結果としてこの決断が、
ドコモへの一番の貢献だった。
と振り返っているが、コンテンツの豊富さがiモードの大きな魅力となり普及したことを考えると、大きな貢献になったことは納得出来るところですね。
第三章 ウェブビジネスの未来
マス広告をウェブ広告は確実に超える
であったり、
では次なる広告はどのような形になるだろうか?おそらく広告はさらにカスタマイズされて行き、より個人レベルへのアプローチへと進化を遂げて行くだろう。
以下の文章はサブタイトルであるが、
仮想通貨がウェブビジネスを加速する
若者離れ・広告減のテレビを救うのはITだ
といった予測については、未来というよりも現在進行形の今という感じで、個人的には特に新しい発見はなかったです。
さらっと読み進めるのがいいかなと思います。
第四章 旧来型日本企業への提言
最後の章での主張は以下のようなものである。
新しい商品開発を含めたすべての権限をリーダーに任せよう!と私は提案したい。
というのも、このIT時代では
「皆で議論を尽くす」、これは長い間、日本企業の美徳とされてきた。しかし、これまで述べてきた通り、現代においては
時間をかけて議論を尽くせば尽くすほど、結論がでない。
であれば、やり方を変えるしかなく、
責任者を決め、責任と権限そして信念を持ち、ある意味自分の人生を懸けさせる。うまく遂行出来なかったら、責任を取って辞めさせる。
IT時代に新しい付加価値を持った商品なりサービスを生み出したかったら、それしか方法がないと私は思う。
と述べている。
最後に
これを読んだら次の日からウェブビジネスでウハウハだ!ってことにはならないですが、ウェブだけに限らずビジネスをする基本的な考え方として学ぶべきところは大きいなと思いますし、読んで損はない内容だと思います。