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大企業向けのリーンスタートアップ論

シリアル・イノベーター ─ 「非シリコンバレー型」イノベーションの流儀

シリアル・イノベーター ─ 「非シリコンバレー型」イノベーションの流儀

GWに一気読みしました。

この本の内容を一言で表すなら、「大企業向けリーンスタートアップ」。 顧客ニーズの理解と技術的解決策の探求を反復しながら、顧客の真の課題を再定義し、その課題に対してシンプルな解決策を再構成するというプロセスが、ブレークスルー型イノベーションを実現するための方法であるというのは、まさにリーンスタートアップ的な考え方だと感じました。 この本で一つ特徴的なのは、大企業における社内政治を考慮している点で、既存事業の維持と改善に大半のリソースが使われる組織を動かすには、他人を巻き込み賛同を得る、データで説得する、会社の戦略に適合させる努力をするなど、他部門まかせになりがちなプロセスも技術者が主体的に行わなければならないと述べられています。

新しい考え方ではないと思いますが、実例も多く記載されているので、自分の組織を思い浮かべながら、どうアレンジすればいいかと考えながら読んでみると、意外に新しい発見があるかもしれません。