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アップル対グーグルを読んだ

アップルvs.グーグル: どちらが世界を支配するのか

アップルvs.グーグル: どちらが世界を支配するのか

アップルとグーグルが何を争い、どのように競争関係になっていったのか、iPhoneiPadAndroidの開発の舞台裏を通して細かく描かれています。

Cult of Macのインタビューで作者もよく尋ねられる質問だと言っていましたが、アップルとグーグルは異なるビジネスモデルなのになぜ競合するのか?これに対して、序章で次のように書かれています。

彼らはたんに、どちらの陣営が最高にかっこいいデバイスを作るかを争っているのではない。そのデバイスがつながるオンラインストアやコミュニティ──いわゆる「クラウド」──の支配権を握ろうとしているのだ
シリコンバレーの用語で言えば、これは「プラットフォーム戦争」だ

インターネットなしの生活なんて考えられない時代で、そのインターネットに繋がる最も身近なデバイスであるスマホやタブレットが相手に支配されてしまったら?

歴史はこの種の闘いの勝者が七五パーセント以上の市場シェアを獲得することを物語っている。敗者はその分野に残ることすらままならない。

この文脈で考えると、アップルがiOS in the carを発表し、グーグルがOpen Automotive Allianceを発表したのも、新たな情報端末となりつつある車で次のプラットフォーム戦争を始めようとしているということなのかなと思います。

アップルとグーグルの戦略の違いであったり、開発の裏話であったり、聞いたことがあるような内容もありますが、読み物としてもとても面白いですし、これから起こるプラットフォーム戦争を見通すのに本書が手助けとなるのではないかと思いました。